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2016/06/04 Blog 『多么美啊:プラナカンビーズシューズ作り修行日記』2016年5月

プラナカンビーズシューズを作る職人さんに弟子入りをさせていただいています。

 

という話は以前書いたことがありますが・・・

 

弟子入りの理由は、シンガポールに残る職人さんは2名しかおらず

ご高齢でいらっしゃるので、習得させていただきたいと思ったからです。

 

プラナカンビーズシューズの仕立ての技法やビーズ刺繍の事

その背景にある文化やプラナカンの希望を取り入れて実践してきたのは

師匠である宗国忠氏。

定休日の日曜日以外は1日1足を目安に毎日作られています。

 

師匠の工房がある建物はとても古いビルで、一瞬シンガポールからどこかのアジアにタイムスリップしたような気持ちにもさせられますが、おいしいローミー(ニンニク黒酢風味のあんかけ麺)のお店があったり、有名なタイレストランに提供しているお菓子作り工房があったりと、実は隠れ作り手が多い場所。私の大好きなアジト。(怪しくはありません)

 

昨年、取材を受けた師匠と私のTV番組の放送が再放送を繰り返しているようで

工房にいると、「プラナカンビーズの**小姐ですか?」とお声をいただくようになりました。

 

先日のタイの織り物工房でも考えていたのは

伝統工芸を作り続けるためには、オーダーしてくれる市場がなければ成り立たたないという現実のこと。

 

技術力が問われるものづくりは人間の経験値や皮膚感覚が何より大事なので

良いものを作るためには、作り続けていないといけない。

そして、現代の実用面に合う発想も必要。

 

そんな感じで、私のシューズ仕立て修行も毎日作っているわけではないので

進んだり、戻ったりの繰り返しなのですが

仕立て工程は一旦習得しまして、今回ヒール部分を自分で製作して仕立てたのがこのシューズです。

 

昔の美しいアンティークのプラナカンビーズシューズにあこがれて

クエ・パイティ式で、さらにヒールを数cm高くしています。

靴底に向けての彫りの線の細さが今回のハイライト。

 

削ったり、磨いたり、革をそいだり、縫い付けたりと

ひとつひとつの工程に時間がかかりました。

 

シンガポールに在住するイタリア人靴職人の話では

「プラナカンビーズシューズ作りは、女性のパンプスの3足分の工程に匹敵だよ」という言葉からも、プラナカンビーズシューズ仕立ては大変な工程であることは分かります。

 

PBSでは、伝統工芸に従事する職人さんに作り続けてもらうことに対し

あらゆる角度からサポートしていきます。

 

靴のお仕立ても、今まで通り現役で頑張っている職人さんたちに作っていただいており、今後も依頼しつづけていく予定です。

 

■写真のプラナカンビーズシューズはクエ・パイティ式ヒール。

ヒールにも様々な形や素材があり、一通り作りきるまではまだまだ時間がかかりそうです。

 

 

過去の日記>>

 

『多么美啊:プラナカンビーズシューズ作り修行日記』2016年3月18日

『多么美啊:プラナカンビーズシューズ作り修行日記』2016年3月3日

 

 

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